2001年 2月号 夢人集団 金沢星稜大学教授 澤 信俊 様
   だれもが親しんできた「ロビンソン・クルーソ」の物語の主人公は、ベンサムにはじまり、古典派、新古典派の経済学において共通に仮定されているホモ・エコノミクス(経済人)のモデルといえる。

 冒険好きのロビンソンは、難破船から生活の営みに必要な物を漂着した孤島に運び込み、優れた計画性と計算力によって、自立した経済を築いた。こうした目的にかなった経済的合理性を発揮するのが、近代的な人間像の原型であった。

 ホモ・エコノミクス達は、およそ200年間に大量生産・大量消費を可能にする機械による産業文明を基礎とした経済社会を実現した。しかし、この機械産業文明に陰りが見えはじめた。新たな課題として「環境問題」と対決しなければならないからだ。

 ここにホモ・サピエンス(叡知人)としての新しい人間像が必要となってくる。叡知人は人や自然にやさしく、「生活の質」を求める能力を持っている。合理性だけでなく不合理性をも合わせもった人間である。

 「夢人集団」のアスリックは、夢をつくり出すアーティスト、クラフツマンの社会デザイナー集団だと思います。