●重油の毒性と魚介類に対する影響
「科学的に示さないと信じられないのでは」との
ご意見を頂戴しました。
先にご紹介したページの内、最初の行の内藤さんのぺーじには、
「重油の毒性は低い」とする専門家からの情報もあります。

回収作業中に亡くなられた方は、誠に無念です。
原因は心筋梗塞などの過労と発表されています。
現在までに回収作業などで5人の方が亡くなられています。
謹んで、御冥福をお祈りします。

一部に「日本海の魚介類は重油で壊滅した」との誤解があるようです。
「それを捕るのは種の保存の危機だ」とのご意見。
誤解です!
重油が漂着した海岸だけをTV等でご覧になっただけで、 「印象」による即断をしないで下さい。
今回の重油が漂流・漂着している海域・海岸は
漁場とはまったく違うところです。
また、魚は海中を泳ぎ、アマエビ・カニは海底です。
表面を漂うだけの重油とは出会いませんので、
影響が有りません。
それでも疑わしい方は、地図をもう一度見て下さい。
日本海は、日本列島よりも広いのです。
しかし、波打ち際の磯でしか採れない「岩海苔」と、ヤドカリ等の小生物、
海面で休息する海鳥だけは、被害が重大です。
岩海苔は、全く採れないので市場にも、出し様が有りません。
(それでも不安なあなたへ「食用油と魚の棲める水の関係」970211更新)

洗剤・中和剤などを撒いたり、
岩・磯を高圧湯洗浄機などで乱暴に洗うと、
海水と重油が混じってしまい、拡散して
魚介類に影響が出る可能性が大きくなります。
地元では当初混乱から、うっかり洗浄機を使ってしまったようですが、
現在では、厳しく中和剤・洗浄機の現場での使用を禁止しています。
回収現場では、このような点にも配慮して注意深く作業を進めています。
詳しくは、oilML(oil@seiryo.ac.jp)に流れている作業監督用の
重油除去作業についてFAQ(2/5版、内山鋼一さん作成)をご覧ください。

漁師さん達が懸命に回収しているのは、
万一海水と混じって長期的に水産資源に影響がでる可能性を
少しでも小さくする為です。
一度評判を落とすと回復できないことを
一番良く知っているのは漁師さん達なのです。
漁港のセリ市場での品質に関する厳しさについては、こちらを参照下さい。

なお、地区によっても事情は違いますが、
漁師さん達は、交代で漁に出ているところも有ります。
一部の報道機関で「漁獲高が減った」とありますが、
これは、回収作業で漁が本格的にできない為です。
重油による直接の影響ではありませんので、念のため。
この時期、書き入れ時なので、漁業収入への影響は大きいと思います。

昨日2月5日夜、富山湾では名物の八手漁の漁り火が輝き、とてもキレイでした。
お隣の漁師さんからイワシを頂き、刺し身にして頂戴しました。甘くて大変美味でした。
イワシの刺し身は、新鮮でないと食べられません。
皆様は、食べた事が有りますか?

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