2.街づくり計画

  1. 街づくり計画とは

金沢市には、金沢の地名としてのブランドのほか、日本三名園と呼ばれ、皆と楽しむ「偕楽園」、民のあとに楽しむ「後楽園」にならび称され、六つを兼ねる「兼六園」がある。

「兼六園」の兼ねる六つとはいったい何であろうか。

「兼六園」という名は加賀藩12代藩主前田斉広が松平定信に乞うて付けたものであり、宋の李格非の「洛陽名園記」から選んでいる。

園圃の勝 相ひ兼ぬる能はざるもの六つあり

宏大を務むれば 幽邃少なし

人力勝れしは 蒼古少なし

水泉の多きは 眺望難し

この六つを兼ねるものは 惟湖園のみ

この六つを兼ねるという名前が「兼六園」なのであるが、この庭園を成り立たせる六つの条件は、街づくり計画にもあてはまるものであるといえる。

具体的な解釈は受け売りではボロが出そうなので避けることとするが、「結界の荘厳さと空間の演出力による魅力付け」、「人為的な巧みさと時間経過に伴うしぶさ」、「立地環境と優れた景観」などがバランス良く配された空間構築が優れた庭園であるといっている。

街づくり計画においてもまさにこのバランスが大切な要素であり、演出する空間に過小な要素が少ないほど「良い街づくり計画」となる。

街づくり計画は、一定の街づくりテ−マを実現する「公共施設計画」、「土地利用計画」、「景観計画」、「建物誘導計画」からおおむね成り立っていると考えられるが、住み人が気持ちよく暮らすことのできるバランスの良い街を計画したものにほかならない。

 

2.大学門前門前街づくり計画

大学門前街づくり計画は、金沢大学総合移転を契機に大学門前街の整備が示され、これを受け土地区画整理事業を基盤とし、そこで展開される街づくりの基本方向を計画したものである。兼六を満たしているかどうかは非常に疑問であるが、66haを対象とした計画であり、大目にみてもらいたい。

    1. 公共施設計画
    2. 基盤整備は土地区画整理事業によるものであるが、昭和63年に組み合い施行では全国でも初めての指定となる「ふるさとの顔づくりモデル土地区画整理事業」を活用している。

      今では当然となってしまったが、植樹当初から成長の進んだ樹木などの使用や、歩行者専用道路をたぶん金沢市ではじめて都市計画決定そ実現した「せせらぎの道」、杜の里のシンボルとなる二つのモニュメントなどを計画している。

    3. 土地利用計画

用途地域を検討する際の基本となるものであるが、学生の居住の用に供する地区利便の用に供する地区、金沢市の東部地域における核となる地区、学術・文化・健康に寄与する地区など、地区を8つの地区に細分化している。しかし現実はきわめて厳しいものであり、そのとおりに実現しているのはごく一部である。

    1. 景観計画
    2. 金沢市のシンボルでえある医王山の眺望、杜の里に隣接し母なる川といわれる浅野川の流れ、背景に広がる緑豊かな東部丘陵地、ランドマ−クとなる丘陵地の仏舎利塔、河岸段丘上の開発として変化に富んだ地形などを活かすことが基本となっている。

      具体的には、ケビン・リンチの景観形成手法であるエッジ、パス、ランドマ−ク、ノ−ド、ディスクリクトを設定し、「兼六」」とはいえないまでも「六件」程度の見せ場はあるのではないかと思っている。

    3. 建物誘導計画

母なる川「浅野川」と父なる川「犀川」、この両側の丘陵地、こうした変化に富んだ地形と段丘崖、丘陵地の残された緑が金沢を代表する景観を形成している。建築物の高さの制限の考え方としては、この景観を杜の里の当たらし建築物によって視界から奪い取ることのないよう、CGを使用し架空の建築物により検討し、設定している。

壁面後退に関しては、幹線道路の並木と宅地の壁面後退部分に植栽した樹木による緑のトンネルを実現するための幅を設定している。

その他としては、土地利用計画に応じた建物用途制限、緑化を推進する垣または柵の構造の制限、2階の屋根間隔、背景緑地に調和する携帯・意匠の制限、乱立する屋上広告の禁止や独立広告の制限などを行っている。

 

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