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1969年7月、アポロ11号が月に到着しました。月面に降り立ったアームストロング船長は、「人類にとって限りない前進の第一歩だ」とのメッセージを地球に送り、固唾と飲んで見守っていた人々が、歓声でそれを迎えました。
思い返せば、当時の人々は人類の無限の可能性になんの疑問も持たず、未来は輝いて見えました。
それからわずか四半世紀、いま未来に灰色の影がさしています。
−二酸化炭素が増えてきた。やがて地球が暖かくなり海沿いの都市は海に沈むそうだ。
−フロンのせいでオゾン層に穴が開き、紫外線で皮膚ガンが増えるという。
−ヨーロッパで騒いでいる酸性雨が、日本にも中国からやってきそうな気配だ。
−熱帯雨林が消えかかり、貴重な野生生物が滅び始めている。
−ゴミが増え、人間はやがてゴミの山で窒息しかねない。
かつて産業公害が日本列島を揺さぶったことがあります。
それを見事に乗り切って、日本は「公害対策の優等生」といわれました。
しかし、地球環境問題は公害とは違います。そこには特定の原因者がいません。しいてあげるとすれば「文明」でしょうか。
もちろん地球は昔から有限でした。しかし人口が少なく文明が幼かったころは、それを無限と考えても差し障りがありませんでした。
ところが、第二次大戦後五十年の間に「産業文明」はものすごく進歩しました。
そのため「地球の有限性」が現実の障壁として人類の前に立ちふさがるようになりました。
環境悪化の主犯が文明だとすると、今の文明を変えることがどうしても必要です。
このままでいけば、人類の滅亡も絵そらごとではありません。
−昨年より今年、昨日より今日と、ひたすら成長を求める考え方。
−心のゆとりはさておいて、金を求め、金に明け暮れる生き方。
−生態系に考慮を払わず、もっぱら効率と利便を追求する文明のあり方。
胸に手をあてて考えてみましょう。
現代文明のこんな特徴は、工業技術や企業経営だけではない、家庭や個人のライフスタイルの中にも深く根を下ろしていることに気づくでしょう。
それにこのスタイルは、先進国だけではなく発展途上国にも蔓延しつつあります。つまり、世界全体を覆う現代の風潮なんです。
手をこまねいているわけではありません。
1992年6月にブラジルで開催された「地球サミット」では、いくつかの条約や宣言などが合意されました。
しかし、文明を担っているのは、各国の政府というよりも私たち一人ひとりなんです。
「文明を変える」なんて気安く言うけれど、どう変えたらいいのか、新しい文明の姿がまだ見えてきていないのです。
だからみんなの知恵と力を集めて21世紀に通用する文明のあり方を手探りで追及しよう、そういう目的で始めたのが、この「21世紀の環境と文明を考える会」なんです。
この会にはヒモはついておりません。有志が始めた小さなNGO(非政府組織)です。
しかし、人類と地球の将来を本気で心配している方々のご協力をいただければ、やがて大きな力になるはずです。
その大きな力で少しでも文明を変えようと、私たちは夢と希望をもって出発しました。
東西の冷戦は幕を引き日本の政治も変わりました。私たちの価値観も揺らぎつつあります。新しい時代にふさわしい文明の創造に、あなたも参加してみませんか。
- 経済を重んじ、スピードを愛し、なにごとによらず「成長」を追い求める生き方で、これから先もいけるのであろうか?
- 先進国の大量生産、大量消費そして大量廃棄といった非持続的な社会構造を、地球にやさしいどんなライフスタイルに変更することができるだろうか?
- 廃棄物は増大するばかりで都市はその中に埋もれそうだ。この深刻な問題に対処するには、どうしたらよいのか?
- 人工的な文明が生物社会に深刻な影響を与えつつある。文明と生物社会との調和をどこに求めたらいいのか?
- 従来の価値観、倫理観を見直し、新たに構築する必要がある。日本の伝統的な宗教、習慣、ものの見方に、21世紀に通用するどんなコンセプトがあるか?
- 先進国と途上国の間の経済格差は増大する一方で、それが地球環境に大きなインパクトを与えている。その克服に何が有効であるか?
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