Japan Association of Environment and Society for the 21st Century
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 環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な循環社会の構築を目指す環境NGOです。

イベント報告
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第6回全国交流大会
循環社会に向けた政策提言をつくろう
 全国交流大会の概要
日時 平成13年9月15日(土)
場所 東京ウィメンズプラザ
内容
住友財団の助成事業として行っている「循環社会政策提言プロジェクト」のメンバーが作成した政策提言(案)をもとに、非会員を含む約120名が分科会に分かれて意見交換を行った。なお、当日午前中には「センス・オブ・ワンダー」の上映会を行なった。

○第1分科会:意識や価値観を変えよう
環境倫理、環境教育、環境情報の普及方法などを提言

○第2分科会:市民活動の強化をしよう
市民の自立と参画を促す情報公開制度や政策形成プロセスへのNGO参画の保証を提言

○第3分科会:社会経済システムを変えよう
環境税制、憲法への環境条項導入、拡大生産者責任、グリーンコンシューマーなど、具体的ないくつかの分野について、政策づくりのたたき台となるものを提言

 報告
第1分科会:意識や価値観を変えよう
  1. 一人一人が環境倫理について考え、環境倫理についての議論を市民の間で広げよう
  2. 環境教育=持続性のための教育を進めよう
  3. 市民が求める循環社会づくりに必要な幅広い情報を集め、広く知らせよう
上記提言案、また提言の生かし方について様々な意見をいただいた。その一部を紹介する。

(1)環境倫理について

  • 倫理は曖昧なので具体的な提案の方が良い。体験的、実践的な活動を進めるべき。「センス・オブ・ワンダー」のような、子供の頃の自然体験を通して得られる自然への感性が原点として必要。
  • 企業の環境倫理を追記すべき。利益を出す必要から、個人では考え行動していても、組織の中では倫理が吹き飛ぶ。環境経営、経済と環境の共生は、エコ的だが循環型ではない。循環社会における企業倫理を明確に立てないと、景気後退で昔の論理が出てくると危惧される。自主努力は不十分。この提言は経団連等にもすべき(会場拍手)。
  • グリーンコンシューマー活動を通して、ISO取得、環境配慮商品の販売、リサイクル等を積極的に、と企業は変わったが限界がある。拡大生産者責任も適用されていない。環境倫理に対する綱領を整備し、それが念仏でなくいかに運営されているか、環境報告書にいれるのはどうか。間接影響評価の情報公開がまだ遅れており、NPOから公開するよう提言すべき。
  • 「意識や価値観を変えよう」は中から沸きあがってくるもので、外の充実だけでは足りない。個人と社会の変化、そのウエイトは同じ位ある。
  • 情報は親、社会、マスメディアと様々な形で入ってくる。マスメディアの評価システムや信頼をおけるネットワークがあれば、社会、家庭も補い合って変わる。メディアの倫理や規制的なものもいる。

(2)環境教育について

  • 基礎研究が出来ていない。将来予測の議論が多く工学系の研究に偏しているが、それがどう教育に活かされるかを深めるべき。
  • 具体的に@先生への環境教育では、参加体験型のワークショップ経験が重要。A地域力をつけ、先生と地域市民が交流する場を作成すべき。インターネットでも作れる。B支援システムとして先生の研修機関が必要。先生も地域の環境学習リーダーとなるべき。C東京都環境学習リーダーがボランティアで学校教育や環境教育に携わるが、学校では予算が不足。継続するには予算が必要。D生きる力、自立した人材の育成と言うが、大人たちも自立していないから今こういう状況になっている。日本では、地域も自立するような教育が望まれる。
  • 地域に埋もれている各分野の特化した人材を、総合的に生かした横のネットワークが必要。
  • 家庭教育、生涯教育、全てのライフステージでの環境教育の盛り込み方の案として、自然体験のできる場の確保を入れてはどうか。近くに場があれば、ブランコや砂場のみの公園でなくそちらを両親や先生が選ぶかもしれない。幼児体験をさせようと思ったら地域共同体的なものを新しい形で再構築する必要がある。マスメディアの役割にも期待するが、今は逆に環境については否定的な役割を果たしているのでそれをやめるべき。子供は環境破壊的な場面が出てきたら吸い込まれる。
  • 環境省、文部科学省といった省庁の縦割りに対し、行政自体の総合的なネットワークが必要。

(3)環境情報について

  • 環境倫理の必要性について、NPOと省庁と両面からの積極的で広範なPRが必要。
  • 情報の収集・研究のみでなく、咀嚼し伝える工夫が大切。身近な問題には耳を傾けるが、持続可能な社会についての関心が薄い。その溝を埋めるような情報が必要。
  • 情報という言葉が広すぎる。膨大な量の情報が世界にあるが、もっと世界にアンテナを張り、広く考えるための情報を日本で得やすく使える形で提供すべき。海外の情報を含め情報を集約し提供するセンターを設置するのはどうか。
  • 市民が必要とする情報は市民にしかわからず官には作れない。地方ごとに市民の情報センターを。
  • 国際情報に日本人は非常に疎い。日本人が世界のために何かをやらなければという勇気を奮い立たせるためにも、情報の収集整備は大変重要。

(提言全体に対して)

  • これまでの経緯が前もってわかれば、問題も共有でき無駄な議論が避けられたのではと残念。議員に配るにも伝え方、プレゼンテーションに工夫が必要、省庁への提言の一方、会員などによる地域での具体化・盛り上げの双方が必要。
  • 項目ごと定期的に、誰がどう評価するかを入れるべき。NPOの活動が広がり、力を持っていく上で中核となるのが格付け・評価・実績。提言の場合、それが行政、市場、マスコミでどう響いていくのか、そういうネットワーク、IT、マスコミの力の利用は大事。

分科会についてのコメント

小野:非常に参考になる部分があった。企業倫理だが、最大の問題は日本と欧米との差ではないだろうか。日本は会社人間、組織人間で、組織が正義を実現するものという認識があるが、欧米は神との契約は社会契約になり、主体は個人だ。自立した個の立場からは、企業が変なことをやるのは個が自立していないからだろう。

 環境問題の解決には、公害問題が提言された時のような地域での活動と、地球全体の問題としてトップダウン的なものと、両方必要だろう。  

 教育リーダーの養成、勉強の場と、情報を分析提供するセンターを二つ併せた形で中央と地域に作っていく、そこへの行政の助成を期待するという視点が必要だろう。

 評価、格付けの問題だが、行政も学会でも評価組織が出てきた。第三者的な評価が環境問題でも今後いかに活躍していくか、詰める必要を感じた。

坂本:すばらしい意見が出て勉強になった。社会は、やはり行政と企業と市民からなっていて、私は、市民の責務が非常に大きいと考える。民主社会では、市民は権利と責任を持ち、責任とは21世紀の持続可能な社会を作るバックボーンで、市民の意識と価値観がそれを支える。

 今日の提言は中央に対してだが、地方ですばらしい環境教育が始まっている。世界の状況を考えると同時に、地域を踏まえた教育のあり方がある。

 溢れている情報を誰がいかに消化し発信していくか、利用の仕方は今後大きな問題になっていく。提言は紙のままで終わったら何の役にも立たない。いかに効果的にアピールをするか、ビジュアル的な物が必要か、など配慮がいる。

第2分科会:市民活動の強化をしよう
  1. 市民の自立と参画を進めよう
  2. NGO・NPOを強化し、政策形成過程への参画を保証しよう
    1) 公共の利益の一部を担う担い手として認め、適切な資金支援を行おう
    2) 政策形成プロセスに一定要件を満たしたNGO・NPOの参加を制度的に保証しよう
    3) 行政とNGO・NPOは、その役割分担を明確にしよう

 分科会では、提言文そのものに対する意見は少なく、市民活動のあり方などの意見が多かった。そして全体会では、レーナ・リンダルさん、事務局荒田が、分科会での議論の内容をまとめて発表した。

  • 行政が役割の一部を移行するのは、NGOだけでなく企業でもいい。市民活動の強化は、環境に限らず、福祉でも教育でもいい。環境教育は、NGOの方が行政より知識が多いので、これはNGOがやるといい。
  • 欧米の事例。日本では答申→議論だが、スウエーデンでは逆で、まとめる段階で市民団体に聞く。市民団体は、多くの会員の意見を代表して行政に意見を出す。また市民団体は、環境問題の訴訟で、犠牲者に代わって提訴することもできる。ドイツでは法律に「NGOの意見を聞かなければならない」とあるが、日本では「NGOの意見を聞くこともある」という程度。
  • 三重県や秋田県では産業廃棄物に税金をかけている。これは環境NGOが多く活躍しているから。日本には、環境NGOの空白地帯があり、環境NGOを育てていく土壌がない。空白地帯を埋めるには支部活動やオルグが重要。全国に5,600あるNPOのうち環境NPOは1/3で、多くが福祉NPO。環境NPOを時代のトップにしたい。その中でも環境文明21はトップを走っているので、もっとリーダーシップを発揮してほしい。
  • 環境文明21のホームページは、あまり多くの人に見られていない。これからの時代はネットワーク化が大事。本日のような会合には来られなくてもツールがあればどこでも参加できる。環境文明21のホームページをみれば、リンク集などで、全国の環境NGOの動きがわかるようになるといい。
  • 長野県の田中知事は、公共事業をやめて緑化を進めている。これからは地方が中心になり、各地域間のネットワークが益々重要になる。
  • 情報公開についての欧米の事例。全てオープンで、どんな情報でも取れる国もある。日本では「誰が、何のために?」と聞くが、スウエーデンではそうではない。欲しい情報をすぐ見られることが大事で、ホームページに通常的に載っていなくてもいい。
  • NGOのネットワーク化が重要。一つのNGOだけでは出来ないことがあり、他のNGOとの連携を望む。例えば署名運動をするにしても、多くの団体との連携が必要。環境NGOだけでないネットワーク化ができるといい。
  • 企業人、企業OB、技術者、環境カウンセラーの活動やレベルアップの場があるといい。特に、環境カウンセラーは全国に約2,500名おり、ネットワーク化や人材活用システムの構築が必要。
  • 市民にわかるようにアピールすることが大事。メディアを巻き込んで具体的な行動を示すと、一般市民にも知られるようになる。行政に提言することと、特定のテーマのアピールを同時並行で行うといい。
  • 市民行動として、具体的には、@地元の国会議員に提案する、Aマスコミに投書する、Bインターネット討論や電話会議に参加するなど。
  • ゴミについて言えば「捨てることをなくす」ことが大事。市民一人一人に呼びかけて、我々ができることから始めるべき。行政からのトップダウンではなく、横のつながりが大事。
  • 市民教育(市民意識を高めること)が大事。普通の会社員と行政には接点がなく、行政への参加・参画の機会が少ない。

分科会についてのコメント

荒田:提言文は具体性に欠ける、具体的な提案をすべき、という意見があった。行政が役割の一部を移行する内容として、環境教育はNGO・NPOができるという意見があった。NGO・NPO活動の強化は、環境だけでなく福祉などにもいえるが、今回は環境に絞って具体策を話した。

 具体策は以下の4点。@NGO・NPOのネットワーク化を進める、A行政は情報公開を進める、B環境教育の分野でNGO・NPOが活動する、C日本のNGO・NPOは発展段階で空白地帯があるが、それを埋めていく。特にCについて、三重県では産業廃棄物に税金をかけるそうだが、隣りの奈良県ではそうではない。それは、有力な環境NGOがいないからだそうだ。

「提言は誰に出すのか」という質問があったが、国や自治体に対して出す。たくさんの提案を全員に支持してもらうのは難しいので、具体的な提案を一つに絞ることを考えた。それは、多くの人の支持を集められ、社会に対して効果的なアピールが出来るものがいい。NGO・NPOは、具体的に特定のテーマで成果を出して存在をアピールすべきで、それは自身の強化につながる。

スウェーデンでは、「一日一つゴミを拾いましょう」という運動を、首相から子供までやっている。これをヒントに日本でも何かできないか考えた。ゴミをテーマにして、日本をキレイにするのはNGO・NPOという認識を広める。

 行政はシステムを構築し、NGO・NPOはシステムの監視や市民への意識改革を行う。また、システムの監視には行政の情報公開が不可欠で、それをもとにNGO・NPOはチェック機能を果たす。このような役割分担、そしてパートナーシップが望まれる。

レーナ:参加者は、産業廃棄物問題やゴミ問題に取り組んでいる人が多く、ゴミの話が多かった。具体的な提案を背景に取り上げないと、提言文も生きてこない。まずは、具体的な提案を出して皆に関心を持っていただき、その後で提言文を見て、NGO・NPO活動の強化を考えていただきたい。

第3分科会:社会経済システムを変えよう

1. 環境税制体系を整備しよう → 環境省、財務省
2. 憲法に環境条項を導入しよう → 国会、政府(特に環境省、法務省)
3. 生産者にもっと責任を負わせよう → 環境省、経済産業省、国土交通省
4. グリーンコンシューマーを育成しよう → 総務省、経済産業省
5. NGO活動への参加を促すために、
     労働時間や働き方を見直そう
→ 厚生労働省
6. 国際的な連繋を強化しよう → 外務省

 参加者からは、30項目以上の意見があり、広範なテーマに関わらず、盛んな議論がなされた。意見の一部を紹介する。

(提言全体に対して)

  • 生産者、消費者・生活者、社会という関係者に分けて問題解決の方向性を示し、具体的な提案をすると分かりやすい。
  • 景気が悪いときに否定型の提言ではさらに元気がなくなる。プロジェクト型のような関連する仕事が発生して景気も良くなる、循環社会は元気が出るというものを提案してはどうか。
  • 地域循環や国際的循環など、相対的に考えての全体のコストやバランスを目指すと循環社会の姿が見えてくるのではないか。
  • 縦割り行政が問題になっているのに、縦割りの提言ではかえって逆効果ではないか。

(1)環境税制について

  • 環境税制体系の整備は大賛成。しかし、景気の問題がある。税収は中立になるように、法人税を下げる代わりに環境に配慮していない人には重い税がかかり、環境に配慮している人には安くなる、というような工夫ができないか。経済的弱者に対する配慮も必要。
  • 大手企業の環境会計を精査したり、中小企業にも環境会計を導入させたり、各家庭には環境家計簿を普及するなど、環境会計の指標が流布するとインセンティブになるのではないか。
  • 環境税制は必要だが、税制の肥大化になったり、ハコモノに使われるのでは意味がない。環境サービスを提供することが国際競争力を持てるようになるような政策が必要。

(2)憲法への環境条項の導入について

  • 環境条項の導入については、新聞の世論調査でもかなりの賛成が得られているので、NGOが頑張って運動すれば国民の間にもっと広がる。
  • 日本が環境重視の条約を批准するようにするにも、憲法に環境条項を盛ることは国際的に見ても重要なアドバルーンになる。
  • 憲法調査会でも議論をしているが、環境条項の導入については賛成が多いと思う。ただし、憲法改正で一番問題になるのが第9条なので、簡単ではない。環境条項の導入を議論する一方で、他の環境法の導入と同時並行に進めることが必要。

(3)生産者にもっと責任負わせよう

  • 製品価格に上乗せして生産者にコスト負担を課すべき。フランスのエコアンバラージュ式では駄目で、ドイツ式の材質に応じて処理をする方法が良い。処理コストを消費者に明示することで、消費者は処理・リサイクルコストが安い方を選ぶことができる。そうすればリサイクルしやすいものが出回るようになる。
  • 販売者の責任もある。消費者が環境にやさしい商品を買いたくても店に置いていない。

(4)グリーンコンシューマーの育成について

  • グリーンコンシューマーになろうと呼びかけるよりも、社会システムを変えることの方が、効果が大きい。例えば、レジで袋を有料にすれば、みんなが自前の買い物袋を持っていく。

(5)労働時間や働き方を見直そう

  • 労働時間を見直す提言は賛成。8時間は労働、8時間は睡眠、残りの8時間は自分の自由に使えるようになって、豊かな生活ができる。

(6)国際的な連繋について

  • 十数年前に先進国の国会議員の署名を集めて、世界銀行とIMFに対して最貧困層の援助カットを待ってほしいと提出した。国会議員の署名を集めることは非常に有効。そのようなやり方もある。
  • 直接の環境対策ではないが、貧富の差を解消することが環境負荷を減らすことにもなる。そのような広い視野での提言もしてほしい。
この他、「地産地消、都市集中の分散、地方分権」「水田の不耕起農法」「エネルギーを環境の面から評価するような社会的仕組み」「ネットワークによって単独のNGOでは出せない力をグレードアップする」「マスコミをもっと動かす」「NPOの立場で地域モデルを作り、産業者側も協調しながらシステム化できるような事例づくり」「NPOの寄付税制の見直し」など、様々な提案があった。

分科会についてのコメント

小林:第一に、この分科会の提言の項目立てである。政策提言の対象は霞ヶ関であり、どのようにしたら落ちがなく提言できるかと考えた場合に、省庁別にと考えた。総合性や縦割りの問題のご批判、ご指摘はごもっともだと思う。今日のご意見を参考に、どういう形で統合できるかを考えてみたい。

第二に、日本の国土だけで循環社会が完結するものではないということ。人類のための、地球のための循環社会を考えれば、日本の国だけを考えるのでなく、地球規模の、世界規模の循環社会はどうあるべきかを常に考えながら、そのなかで日本はどうあるべきかを考えなければならないと感じた。

 第三に環境会計のこと。環境会計は、ある企業がどれだけ環境のために金を使って効果がどうだったかという話でもないし、環境汚染物質の物量が第三者に金銭的にどのような影響を与えたかを示すだけではない。動脈と静脈を物量的、金銭的にどのようにつなげるかということも含まれてくる。広い意味での環境会計についてのものの考え方が循環社会のなかで取り上げられ、それが一つの目標ではないかと思う。


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