| Japan Association of Environment and Society for the 21st Century | |
| 環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な循環社会の構築を目指す環境NGOです。 |
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第4回日米合同セミナー
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| セミナーの概要 | |||||||||||||
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| 報告 | |||||||||||||
自然と人間の関係 日米合同セミナーの1日目は恒例のフィールド・トリップに出かけた。毎回、普段観光客が足を踏み入れることのない自然溢れる地域を現地の方に案内いただいているが、今回はワイキキ北部モアナルア地方にある「カマナヌイ峡谷」を訪れた。この地はカメハメハ大王がオアフを統一する際、戦いの最中に休息を取っていたところ、この地の人々に慕われていたカクヒヘワ王の子孫に当たる子供の誕生を聞いたと言われ、その後この付近の土地を、当時最も心を許していた叔父に授け、この土地を守るように話されたのだという。 10年程前この峡谷を横断する高速道路の建設が予定されていたが、この地域の民話・伝説・歌の名残を留める風景を守ろうという人たちの尽力により、計画は中止された。今回は、当時中心となってこの地を守られた「モアナルア庭園基金」のローレン・ギル氏より、この峡谷に纏わる伝説、先住民の生活ぶり、動植物の生態系等の説明を受けながら、約4時間に渡る散策を楽しんだ。私自身、もともと自然豊かな地に生まれ育った身であるため、見知らぬ木々や昆虫たちとの出会いに胸弾ませていた幼少のころを思い出し、心が豊かに満ち溢れるような思いに浸ることが出来た。その一方で、ハワイの歴史の中にも人間と自然との関わりについて深く考えさせられる逸話がいくつかあったので紹介したい。 |
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| (1)在来種と外来種 私達がハワイの代表花と認識している「ハイビスカス」はポリネシア人がカヌーで持込み、「プルメリア」は近代ヨーロッパより持込まれた帰化植物であり、ハワイ在来の種でないことは、一般の観光客にはあまり知られていない。ハワイにも様々な動植物が生育・生息し、独自の生態系を形成しているなかで、このような外来種の増加が大きな影響を与えている。例えば、植物が受粉するのに鳥や昆虫が関わっている例はよく知られているが、ハワイに生息していないハチドリあるいはアリによってのみ受粉が可能な植物が生育したり、成長の早い外来種植物が、成長の遅いあるいは丈の低い在来種の成長を妨げたり太陽を遮る等の事例がある。これら外来種の殆どは人間が自らの利益のために外から持込んだものである。その歪みつつある生態系を自然の力を利用して引き戻そうと、外来種植物の葉や種を好物とする昆虫を放してみたものの、在来種の鳥がそれを餌にしてしまう等、一旦崩れてしまった生態系を元に戻すことは容易なことではないようだ。動植物の生態を研究し、森林を管理保全するボランティアの方々のこうした努力は、結局これまで人間が自らの利益のために施した欲深い行動によって失われつつある自然(資源)を、今後その倍以上の時間とコストを使って償う活動と言える。ハワイという小さな島で起こっている「歪み」さえ矯正することの難しさがこの状況なのに、ましてや地球全体となると・・・。 |
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(2)「自然」と「人間」は並立なのか 「アフプアア」とは、キャプテン・クックのハワイ来訪以前に、先住民の伝統的なコミュニティが成立していた地理的空間のことを言う。かつて地域境界線をブタの頭の形をした石を置いて表したことから「ブタの頭(アフプアア)」という意を持つという。一般的にひとつのアフプアアには山から海へ続く扇状地とその中を流れる川が存在し、生活に必要な物資や食料を全てそのコミュニティ内で調達出来る生活環境であったそうだ。そこはまさに自給自足が当たり前の「Sustainable空間」だったのだが、そこには「コミュニティとは人間同士のみならず、全ての命在るものが平等に関わりあうものである」という基本的な思想が根底にあった。 元来人間も自然界の一部として認識・自覚しており、決して突出した生命体ではなかったはずだが、最近よく耳にする「人間と自然との共生・調和」というフレーズに、「人間」と「自然」を対等として並立させることで人間の厚かましさを表しているような気にさせられた。人間が自然の一部である以上は決して自然を支配することは出来ず、今こそ自然の尊厳さを再確認し、謙虚さを以って生活していかなければと思わずにはいられない。 今回のガイドを務めてくださったローレンさんは60才近い年齢で、しかもお腹がプックリと出、地下足袋を履き、杖を付きながらという風貌であったため、最後まで帯同していただけるのかと心配したのだが、我々より遥かにしっかりした足取りで案内下さったのには驚いた。また、本来通訳をされるはずだったケニーさんが参加できなくなり、歴史や生物学の専門用語を交えて、苦労されながらも急遽大役を代わりに務めてくださった高柳さんに対し御礼を申し上げたい。(報告:池田博徳) |
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話題1:循環社会へのビジョン 窓外に白いシャクナゲが咲き誇る。丸いチークのテーブルを囲んだ私たちの討議のテーマは、環境と開発を調和させる社会を導くための新たな理念の創出である。太平洋の香りを運ぶ風の中で、頭に赤い冠をつけたヒバリに似た野鳥(red-crested-cardinalという種と思われる)がしきりにさえずっていた。 私たちの座学のために、ホノルル市議(カウンセラー)のゲイリー・オキノ氏がジェファーソンホール内に用意してくださった部屋は「カメカメハ」と名付けられていた。入口の壁に10号ほどの絵が架かっており、半裸の男たちが槍や銃器を持って戦う姿が描かれている。断崖に敵を押している側の軍勢を率い、黄色い羽飾りをまとう男が伝説のカメカメハ大王らしい。 セミナーは日本語と英語を取り混ぜながら始まった。「サッカーのサの字も関心ないね」とか「安かろう悪かろうじゃないけれど」などと語彙 豊かな通訳をするのは、ハワイ大学で日本文学を講じるジム・ケニー氏である。2年間にわたる日 米共同研究の成果をまとめた報告書が掲げる「循環社会」は「持続可能な発展」の目標として、また行動理論として具体性を持っているのかどうか。その検証が私たちの課題であると、加藤三郎代表は明快に問題提起する。 世界にはさまざまな国と民族がある。国土の大きさも利用できる資源も、社会規範となる価値観も、経済発展の速度も大きく異なっている。それゆえ「sustainable development 」 への道筋は「differentiated responsibility」の自覚に支えられていなければならない。92年地球サミットが各国政府レベルの合意として世界に発信したメッセージは、市民社会にとって如何なる意味をもつのか。市民一人一人が前進するために、その旗はいかなる言葉によって表現されるべきか。 日米の知性を集めたプロジェクトXがたどり着いた共有すべき概念が「Junkan Society」である。その展開に向けて個々の実践単位としての市民が考慮すべき知と行動のキーワードは何か。 私たちはエコシステムに支えられて人間世界を形成し、その上で競争と効率と豊かさの配分にあずかる経済活動を営んでいる。経済活動の功利性をひたすら追求し、環境影響を内部化しなかったことが、人間社会のひずみを拡大し持続性を困難にさせた。やがて母体である生態系の喪失にもつながるとの予測に、現代世界は今おののいている。 テキストである「循環社会―ビジョンと道筋―」(2002年4月、環境文明21)は時間軸に基本構造を置き、経済を短期的、人間・社会を中期的、生態系を長期的な評価の対象として解釈することを試みた。地域の公害問題と地球規模の環境劣化を招いた現実への考察から、荒田さんが説明する行動規範は「バランス」であり、スーザンさんが指摘するそれは「opportunity(機会)」と「fairness(公平)」である。これらのキーワードが内蔵する価値の意味をかみ締めることにより、日米の成熟した経済社会の市民生活が次のステップとして目指すべきものは、循環社会の創造であるとの認識を共有できる。双方の社会の価値観と条件を考察した結果、相互に尊重されるべきperspectiveが浮上してくる。 |
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この日午前の日米共同討議を締めくくった加藤氏は、私たちのセミナーがリオ+10ヨハネスブルク会議と、京都議定書の批准の時期と重なったことの意義を繰り返し述べていた。2012年までに1990年比6%の温室効果ガスを削減するとの目標の達成に打ち込むことになった私たちは、生産、消費生活の改革、税制度などの経済的措置の導入、森林保全の強化−−の3点を主要な柱に、新たな行動を開始しなければならない。その原点に循環社会創造の考え方があることを私たちは知る。(報告:滑志田隆) | ||||||||||||
| 話題2:循環社会への道すじ 現実の社会をどうやって循環社会に変革していくか、グローバル・コミュニティの一員として世界全体の持続性の実現に貢献するには、というテーマがあげられた。 まず、現実の社会をどうやって循環社会に変革していくかについて、循環社会が実現された2030年の社会を「30年後の都市の暮らし 私の1日」「30年後の都市の暮らし 私の一生」という2つのイラスト画を用いた、藤村コノヱさんからの話題提供をもとに、議論が始まった。 イラスト画には、お互いを尊重し合い、より人間らしく、活き活きとした暮らし、自分が必要としているものを必要な分だけ手に入れることができ、地球の恵を最大限に活用した暮らしが描かれており、循環社会実現に向けた生活改善をやさしく理解できるものであった。 我々すべての人間が、ここに描かれている暮らしを理解し実践できるとは思えないが、このイラスト画を通じて、このような暮らしが“地球と仲良く”生きることにつながるのだ、ということを理解するきっかけとなり、より多くの人が実践できると思うことから取組むことが、循環社会の実現へとつながるだろうと感じた。 |
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| 同時に、政府がイラスト画にある生活を実践するのに必要な環境整備に取り込むことが重要になると感じた。 次に、スーザンさんからの循環曼荼羅をもとに、グローバル・コミュニティの一員として世界全体の持続性実現に貢献することをめざす、話題提供があった。 2002年現在の世界観は、「我々の国家、我々の社会、私の利益は共通の利益と全く別のものである、私には必要な資源はなんでも使用する権利がある、私にはどこにでもごみを廃棄する権利がある」など、限られた視野の中でのものである。それに対し、グローバル・コミュニティが実現された場合の2030年の世界観としては、「我々の共通の利益は我々自身の利益を支える、我々はより公平な資源の共有を必要としている」など、地球市民としての視野での物事のとらえ方があげられた。 |
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| 現代のグローバルスケールでは、世の中には@消費盛んな高収入階級(20%)、A中程度収入階級(60%)、B貧困階級(20%)の3つの経済クラスが存在する。日米は高収入階級の主要メンバーとなっているが、それを地球市民として地球規模の隣人と地球規模の視野をもち、「全ての人々は運命共同体である」という認識に変化させることが、グローバル・コミュニティの一員となることにつながるという。 循環社会実現に向け、グローバル・コミュニティの一員として、グローバルな視点から世界を理解していくためには、より多くの人が「私はグローバル・コミュニティで生活している」という意識へ心のスイッチを切り替えるきっかけが必要であると感じた。そして、その切り替えをいつ行うかは本人次第であるということから、「切り替えをしたい」「切り替えなければ恥かしい、時代遅れである」と思わせることが必要だろう。 日本国内は、FIFAワールドカップ開催にあたり、自国開催ということも関係していたとは思うが、いつにない異様な盛り上がりを見せた。この盛り上がりには、ある意味一緒に盛り上らなければ時代遅れとなるという意識も影響していたと思う。 FIFAワールドカップに向けた日本国民の興味を循環社会の実現に向けることができるなら、2030年とは言わずに、明日にでも循環社会は実現可能になるのではないかと思った。 循環社会の実現に向けて、我々が今回のセミナーで意見を交わし、学んだことを、よりグローバルに多くの人に伝え、そしてより多くの人の心をつかみ、「私は循環社会に生きている」ということをカッコイイものにしてしまう仕組みを考えていくことが必要だと感じた。(報告:田中瑞穂) |
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話題3:循環社会の哲学とその実践 第3の話題提供は有坂陽子さんによる持続可能な社会の哲学であった。 持続可能な社会を考える時、我々は4つのタイプに分けられるという。 第1に、結果を先に考えその考えに基づき行動する、という結果主義が挙げられた。人はまず、自分が幸せになる事を優先して考えるというものだが、幾つかの問題点を挙げると、@幸せを考える時、個人個人で幸せに対する価値観が違う。A結果を重視して行動しその為に人が犠牲になっても良いか。例えば、環境汚染している工場の営業を停止すると、そこで働く人々の仕事が無くなるなど。 |
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第2に、何が正しいかと義務感に基づいて考え行動するパターンが挙げられた。問題点としては、我々は人に対する義務は容易に考えるが、環境に対する義務は考えにくいというものであった。 第3は、人格を考えるとき知識に教養をプラスするという考え方である。例えばリサイクルなど、継続することでやがて習慣となり性格となるというもので、長期的に物を考え協調性がある良い性格というものは環境にも大きく関わってくると考える。だが問題点は、内面をいくら変えても外の現代社会のルール等までも変えるというのは非現実だという事である。 第4には、バランス、ハーモニーといった自然と人との協調性を最も重視する考え方である。ただここでも問題点として、環境と調和をとる上で人が犠牲になってもよいのだろうかという事が挙げられた。 |
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以上のエレメントを踏まえて、人は未来は変われるのだと信じて、知識を向上させながら色々な側面から社会を変えていくことが大切ではないだろうかという結論に至った。 次に、“我々は何をすべきなのか?”というテーマのもとに藤村コノヱさんより議論がなされた。我々は大量消費から適度な消費へと変換させ、消費行動に費やされる時間を知恵の活用等に充てるように工夫して、もっと色々な地域活動に参加しようというものである。我々はもっと環境と健康の事を考慮した消費行動を心がけ、時には野菜類を自分で畑で育ててみるといった自給自足の体験をしてみるのもステップアップの一つだという。またブランド品の買いあさり等の消費行動を省みたり、忙しさにかまけ工夫して何かをする時間が無い状態から逸脱し、本来の幸せをもっと時間をかけてゆっくり考える事が望ましいとされた。また地域活動の一つとしてスキルの交換等お金を介さない方法でエコマネーを発達させるという提案もなされた。やはりここでも、実現できると信じてできる事から始める大切さが問われた。 午前最後の議題は、州政府のハワード氏によるエネルギー効率と再生利用についてであった。現在ハワイでは燃料等の輸入率が90%であり、廃棄物のリサイクル率は26%という(日本では約50〜60%との事)。動きとしては、太陽光線、風、海水を使っての発電、reduce、reuse、recycleの実践、物を買うという消費行動により、環境持続に対する考慮がなされていた。ハワイでのリゾート地では大小それぞれ孤立したソーラーシステムにより、熱を場所によって温度を変えて利用している。また学校では、教室内は電気の照明ではなく自然光線による授業も行われており、統計によると普通の電気の照明で授業を受けた生徒よりも学力が上であり、かつ病気にもなりにくいという事が報告されている。ハワイでは、日中の熱により家がかなりの高温になるのを防ぐ為に、絶縁体を屋根の内部に設置して熱を逃がしていくという処置もとられており、その設置工事には1件につき90ドルかかるが、設置により約4,000ドルのエネルギーの節約が可能であるという事であった。我々が日常よく目にするシュレッダーにかけられた後の紙の利用法としては、それに草の種を混ぜて森林伐採された斜面にスプレーすることにより、そこに草が生え水が流れるのを防いだり、あるいはホウ酸を混ぜる事によりそれが先に述べたような絶縁体を作る事が出来、屋根に設置して利用可能になるという事であった。日本においても良い事はどんどん取り入れ、我々が地球規模で環境に対し改善可能な処置を共に考え、実践していくことが強く示唆された。 このように午前中は持続可能な社会への人々の考え方の系統、対応方法、実践例等が具体例と共に議論されたが、我々はやはりこの持続可能な社会への問題提起をセミナー内にとどめることなく、広く地球単位で共通意識を持てるように広めていく事の大切さを強く感じさせられた。環境破壊は現在既に深刻な状態に陥っており、我々一人一人が早急に改善策を見つけ実践しなければならないが、それが一部の人々にとどまってしまえば真の持続可能な社会は望めない。色々なコミュニティに属する全ての人々が、それぞれの立場なりに、できる事を工夫し実践していく、それが当り前の社会に早くならなければならないと思った。(報告:山口祐貴子) |
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「調和(バランス)」こそが、循環社会実現に向けてのキーワードである。この思いが、心の中でより明確になったことがセミナーの最大の収穫であったと自分では感じている。逆に表現すれば、「人間の諸活動の様々な歪みや不調和の蓄積が、今日の地球規模の環境破壊を招来している」とも言い換えることができるであろう。 セミナーの中では、価値評価における「経済、人間・社会、エコロジー」の三つのバランス、都市における「開発と環境保全(もしくは経済政策と環境政策)」のバランス、日常生活における「仕事と余暇(ゆとり)」のバランス等の視点から、この言葉の重要性が指摘され、その度に私自身の認識も深まっていったように思う。 |
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| 全米を代表する環境NGO、シエラクラブのホノルル代表ジェフ・ミクリナさんも、自然との調和に関して、その土地に適した自主的な取組みを強調し、以前には自律的な調和を維持していたハワイから、全世界に向けてモデルケースを提示していきたいと抱負を語っていた。その際、「調和」が「平和」への同義語になるとも説明していた。 一日目のカマナヌイ峡谷へのフィールド・トリップでは、地元の方々の並々ならぬ自然保護への努力に敬服するとともに、人間の活動も自然の調和を実現する上での重要な一要素となり得ることを実感し新鮮な驚きを覚えた。ある場所では一本の小道を挟んで、人間が生態系のバランスを図る努力を傾けた側と何もしていない側に分かれ、前者の方が多様性に満ちた植物が生い茂っていた光景が印象的であった。 また、サンフランシスコ大学で哲学を教える有坂陽子さんは、道教における陰陽の調和とは、一の中に二が合い和しながら、一でなければ、二でもない。同時に二であって、一でもある状態と解説された。私はその説明を聞きながら、調和とは多様性を前提とし、しかも個々の要素が存分にその個性を生かしつつ全体としてバランス、もしくはハーモニーを実現する状態であると解した。 セミナー以前にも、「調和」の大切さは何度となく耳にしてきた筈であるが、私としては、心の深い部分に共鳴するものが弱かったように思う。そういった意味で今回、今後の行動に対しての何らかの原動力を得られたことは喜ばしく、ハワイまで出かけて会議に参加させて頂いた甲斐があった。 ハワイの地で、豊かな自然、大半を外部に依存する経済構造と最終処分場の逼迫という日本との共通点、官民一体となった創意工夫にあふれたリサイクル推進の試み等に触れられたことが、このような認識につながったものと考えられる。 また、参加者一人一人の循環社会への熱意と真剣な議論に啓発された面もある。特に会議の成功のために、2年間準備されてきたスタッフの方々の努力に敬意を表したい。前回のセミナーから、2年の間に日米の研究チームが5回の研究会議と、担当者間の頻繁なやり取りを土台として、「ビジョン」を練り上げて来られたと伺っている。その概念のひとつひとつが、度重なる対話の中から自然と浮かび上がったものであり、含蓄があるのは当然かもしれない。 以上が、私のセミナーの感想であり、恐らく他の参加者に問えば異なる感じ方も様々に返ってくるであろう。ただし、少なくともセミナーを通じ意見を交わすなかで、「循環社会を築いていきたい」という「ビジョン」を、深く共有出来たことは確かだと思える。そのビジョンの受け止め方、表現方法には個人差があり、現実化までのアプローチも無数にある。「持続可能な循環社会」という最終目的は共通であり、実現にあたっては、一人一人の創意工夫が望まれると思う。 ハワイから帰って以来、私自身、セミナーで学んだことを、日常の生活に埋没させてしまわないよう自戒している。「私には、まず、何ができるのか?」自分自身への問いかけは、いまだに続いている。(報告:大島伊貢) |
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今回初めてセミナーに参加を致しました。 このような学術的セミナーに参加することも初めてであり、一人で海外へ出るのも初めて、参加者のどなたとも初対面であるなど不安な中、6月14日名古屋空港を出発しました。 朝9時にハワイ大学リンカーンホールにチェックインし、夜の顔合わせ会まで休息をしました。 |
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| 第一日目はカマナヌイ峡谷へのフィールド・トリップでした。ボランティアのガイドの方より歴史的に如何にこの峡谷を守ってきたか、又現状での問題などについて説明を聞きながらの散策でした。 二日目は朝9時より昼食・夕食・休憩を挟んで夜10時までの長時間に及ぶ発表・討論でありました。 この中で最初に加藤代表より今回のセミナーの目的が3つ述べられました。
また、アメリカ側からもアメリカ人の基本的な考え方である「公平」と「機会」を循環社会に結びつけた発表がありました。 三日目も朝9時から昼食・休憩を挟んで午後5時30分まで発表・討論が行われました。 ホノルル市の方の発表では、実際に蛍光灯と電球とを持ってこられ、比較した消費電力の違いの説明、ゴルフカートの充電時間と走行距離の問題、また、深海水の利用、自然光利用運動など発表され興味深く聞きました。 四日目はホノルル市庁舎において発表が午前あり、午後は市長出席による討論会が行われました。討論会場は、冷房設定温度があまりにも低く、長ズボン・長袖を持つ人はそれを重ね着し、マフラーをし、かつ耐え切れずにロビー・駐車場へ何人も避難するという状況には本当に驚きました。一言申し上げるならば、日本人と体感温度が異なるとはいえ、こまかな省エネに関する報告をされる方々でありますので、1度冷房設定温度を上げることによってどれだけハワイ州全体で化石燃料の節約になるかの検討もぜひお願いしたいと思いました。 今回のセミナーを通して、循環社会をつくっていかなければ、もう私たちの日本が、世界が持たないのだということ、そしてそれは何も理論や大きな事をしなければいけないのではなく、一人一人が身近な小さな事から始めればいいのだということに気がつきました。今後このセミナーで学んだ事を私自身はもちろん、職場でも、家庭でも実践していきたいと思います。 最後になりましたが、加藤代表はじめスタッフの皆さん、セミナーに参加されました皆さん大変お世話になりました。一人一人すばらしい方ばかりでこのような方々と一緒に学べたことをうれしく思っています。 環境文明21の今後ますますの発展と、参加されました皆様の各方面でのご活躍を祈念いたします。ありがとうございました。(報告:柴田金作) |
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| 環境文明21の行事に今回初めて参加させていただいて加藤代表をはじめとするすべての関係者の皆様へお礼を申し上げると共に、このセミナーへ参加できたことを大変光栄に思います。 「循環社会−ビジョンと道すじ−」と題して2年間でまとめた報告書を基に、フィールド・トリップを交え、数日間環境について深く話し合いをしてきたわけですが、その内容は私にとってあまりにも刺激的で、思慮深いものでありました。日程表や報告書をもらった当初、果たして私についていけるだろうかと不安に駆られましたが、その内容にすぐに引き込まれ、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。 |
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フィールド・トリップではカマナヌイ峡谷へ連れて行っていただき、ハワイの中でも特に自然あふれる場所だと感じながら、それでも外来種が多く、ハワイ元来の植物が少なくなってきたと聞かされ、深く考えさせられました。 会議では循環社会へ向けて、現在の問題点、新技術、過去の事例、現在どのようなことを行っているか、将来(2030年を目標)の“ビジョン”またそこにたどり着くための“道すじ”を学びました。さらに倫理学的なことも教わり、人間としてどのように生きていくか、またそれが循環社会に結びつき、“地球市民”としての自覚、またその中で自分に何が出来るかということも考えさせられました。 私は今まで“地球市民”としての自覚がありませんでした。ただ私は、数回フリーマーケットに参加したことがあり、そこで感じたことは、私が“いらない”と思ったものをまだ“必要”として使ってくれる人がいて、“その時捨てなくて良かった”という思いです。そういう気持ちが大切であり、それを改めて認識させていただきました。 私たちがビジョンとしている循環社会へ向けての道すじは大変険しいと思います。しかし循環社会に向けてアクションを起こさなくてはならなく、既にその時期にきていると思います。それには抜本的な改革、また新技術の開発も必要だと思いますが、一人一人が“地球市民”としての自覚、またスーザンさんがおっしゃっていた“meではなくour”という意識を持ち、そこで初めて全体で何か大きな行動に移せるのではないかと思います。ただこれにはやはり教育が必要不可欠であり、若い頃からの教育により環境及び循環社会について、また“地球市民”としての意識を育てることが重要であると思います。私はこのセミナーに参加してつくづくそう思いました。 私は大学でリサイクルを目的とした研究を行っておりますが、普段の生活は循環社会とは別のところにいたと思います。電気、紙等の大量消費、エアコンの使いすぎ、近いところでも車を使う等、反省すべきところがたくさんありました。ですから、スーザンさんが“地球市民だと思う人は手を挙げて”とおっしゃった時、すぐに手を挙げることが出来ませんでした。しかしセミナーから戻ってきてエネルギーの消費をなるべく抑えようと心がけるようになり、今では一地球市民であると手を挙げたいと思います。 最後に、会議以外でも食事中など、諸先輩方に興味深く、大変貴重なお話をしていただき本当にありがとうございました。ここで学んだことは私にとって本当に宝となりました。現在私の周りには環境、循環社会を志す仲間がたくさんいます。そこで私はこの宝を独り占めするのではなく、仲間たちに伝え共有していきたいと思います。またこれからも環境文明21の行事に参加し、循環社会に対しての認識をさらに高めていきたいと思います。(報告:高橋岩仁) |
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