1日目〔1月20日(火)〕
「明日は、砂浜で水遊びができる唯一の日ですから、サンダルをもって行った方がいいですよ」という言葉を信じて、前夜慌ててセブン・イレブンで3ドルで買ったゴムぞうりをリュックに詰めて、鼻歌まじりにバスに乗った私達が、間違いに気がつくのに、そう時間はかからなかった。
ココナッツ・アイランドへの船に乗った途端、ケビン・コスナーばりのハンサムなグラウ博士は講義を開始。「ここハワイでも、原住民が千年以上も守ってきたライフスタイルは、変わってしまった。昔の考え方や伝統的ライフスタイルから、我々が学ぶものは多い。昔に戻る事は不可能だが、持続可能な考え方や、生き方を取り込む事は大切だ。持続可能な未来を可能にするのは教育だ。そのいい例がタバコだ。以前、タバコを吸うのは恰好いいと思われていた。しかし、その危険性が指摘され、我々もそれを認識した。このように持続可能ならライフスタイルを一般知識として市民に知らせ、教育する、それが大切だと思う。ハワイがモデルを作り、そのライフスタイルを世界中に広めていきたい。」「企業、農業、商業、家庭が狭い所に密集しているここカネオヒ湾は、研究に適している。15年前までカネオヒ湾とサンゴ礁は死ぬと言われていたが、今は対策が効じて回復しつつある。」
船を降りた私たちは、みみずを百倍にしたようなナマコの一種(?)のお迎えにびっくり。
島内の研究所ではサメ、マグロ、サンゴ礁等の生態や、将来のタンパク質不足に対応するための稚魚の養殖、DNA細胞学、産業漁業の研究等が行われている。外の水槽には、テイラピアが一杯だ。「普通は淡水で育つが、海水で育てると3倍の大きさになる」との話に感心し、「公害物質に強い魚を育てたい」との話に「大丈夫?」の声も。
貝がいっぱいの食事の後、湾内をクルージング。船底のガラス窓を通して見たサンゴ礁は心なしか元気がない。ここ百年間の、農業や放牧に因るドロの流出でサンゴが汚れてしまったとのこと。
また、島中央のパイナップル工場が小川をせき止めていること、海兵隊の基地建設もサンゴ礁にダメージを与えてしまったこと、今は下水は全てパイプを通して外海に流していること、等が語られる。島の水問題を考えているブンさん、タロイモを植えている原住民のバットさん、ホノルル市会議員スティーブ、みんなとても情熱的だ。しかし一番情熱的だったのは所長だったとの声も。
私たちが何気なく食べているパイナップルも、いろいろな環境問題を含んでいるのだな、と思う。
出発までの短い時間に行った砂浜は、太古の昔そのままの美しさで私たちを迎えてくれた。「さあ、泳ぐぞ!」とパンツひとつで泳ぎだした青年2、3人・・・女性はサンダルでハワイで最初で最後の水遊びと興じる。これでやっと3ドルで買った甲斐があったというものだ。
「地球上でハワイが一番きれいだった。ぜひこの美しい自然を守ってほしい」と、宇宙飛行士をして言わしめたというハワイ。ここも例外ではなく開発が進み、汚染も進んでいる。
しかし、国の違いはあれ、自然と人間の関わり、開発との環境の問題は同じだということ、また、これらの問題を自分の問題として真摯に捉え、行動しようとしている人々がいることを知った。
帰りのバスの窓から眺めた、ハワイの美しい海と青い空よ、永遠にあれ。
(報告:許斐喜久子)